わたしが「呼吸する」とき
彼と付き合って6年が経った。
周りからはこんな事をよく言われる。
「6年も付き合ってるなんて凄いね。飽きたりしないの?彼のこと」と。
私も付き合いを重ねるごとに思うことがある。
何故ここまで恋人同士でいられるのだろうか。
彼は私のこと飽きたりすることはないのだろうか。
皮肉にもそう考えてしまう。
「入園式って何日だっけ?」
「5日。今日は準備出勤なんだから、いつもよりは遅くていいけどさ、急がなきゃ。誰かさんのせいで」
「……おい」
「さあ、とっとと美味しくいただきましょう」
誰かさんのせいでこうなったんだから、仕方ない。
唇を尖らせて私を睨む目の前の彼を無視して私は作ってくれたトーストを美味しくいただいた。