わたしが「呼吸する」とき
食器を洗い、大急ぎで身支度を整え、荷物を持って玄関へ向かう。
「じゃあ、行って参ります」
「行ってらっしゃい。気をつけて行くんだよ」
「うん。ご飯作ってくれてありがとね。毎度のこと、本当に本当に済まない」
「そんなこと気にしなくていいから。洗濯もやっとくね。今日休みだから暇だし、なつは気にせずお仕事へレッツゴーしてきて」
「……はい。甘えさせていただきます」
「うむ」
私は彼に感謝しながら玄関を出た。
……やばい、真面目に遅れる。
私はダッシュでエレベーターへ向かった。
彼とは付き合って6年、一緒に暮らして2年が経つ。
彼の職業は仕事柄不規則である。
付き合い始めた当初、彼は今とは違う部署にいたため、今よりも不規則な生活で彼と会えるのも限られていた。
だからこそ、私はあの頃思っていた。
私たちは自然消滅、あるいは喧嘩別れですぐ破綻するのだろう。と。