@YUMI KO
「赤ん坊の泣き声……?」


貴久は驚いたように呟いた。


そして続く、女のうめき声。


「この声がユミコさんなのか?」


「わからない」


あたしは左右に首を振って答えた。


今までの話をつなげて行けば、このうめき声はユミコさんのものになるけれど、そう言い切ってしまうには情報が少なすぎた。


「エマは電話を切らないでって言ってた」


あたしの言葉に貴久は頷く。


思い返してみれば、穂香が途中で電話を切っていたっけ。


もしかしたら、理香先生も途中で電話を切ってしまったのかもしれない。


そして、2人ともいなくなった……。


そう考えた時だった。


『助けて』


受話器の向こうから、確かにそんな声が聞こえて来たのだ。
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