@YUMI KO
報告
その夜。


あたしはエマの幼稚園での様子を両親に報告することになった。


「首を絞めただなんて、そんな……!」


お母さんはあたしの話に青ざめて、持っていた湯呑を取り落としてしまいそうになる。


「本当のことみたい」


エマのことを話している間は心苦しくて、まるで自分が悪い事をしている気分になった。


「どこでそんなことを覚えたんだか……」


お父さんは大きくため息を吐きだして両手で顔を覆った。


「とにかく、相手の家に電話を入れないと」


お母さんはそう言ってすぐにソファを立ちあがった。


お父さんと2人で残された空間には重たい空気が流れている。


テレビだけが騒がしく、そこだけまるで別世界のようだった。


「しばらく休園させてみるか」


「エマを休ませるの?」


「それも手だと思う。お母さんは大変になるけれど、誰かを怪我させてからじゃ遅いしなぁ」

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