@YUMI KO
学校生活の他愛のない会話をしながら歩いていると、あっという間に学校に到着してしまう。
学校までの道のりがもう少し長ければいいのにと、あたしは毎朝考えていた。
といっても、貴久とあたしは同じ1年B組の生徒だから行先は同じだけど。
「ナナカおはよぉ! 今日も仲良く夫婦で登校ですかぁ?」
B組に入って一番に声をかけてきたのは森野穂香(モリノ ホノカ)だった。
穂香とあたしは中学時代からの仲よしだ。
貴久は友人の河名光弘(カワナ ミツヒロ)を見つけて、そっちへ行ってしまった。
名残惜しさを感じながらあたしは穂香に近づいて行く。
「夫婦なんかじゃないってば」
「でも毎朝ラブラブだよねぇ。いいなぁあたしも彼氏ほしい」
穂香はチークでピンク色に染まった頬を膨らませている。
「焦って彼氏作ったって続かないよ?」
「だけどあと一か月で夏休みじゃん! 高校最初の夏休みが彼氏なしとか悲しい~!」
穂香は上半身を机にべったりとくっつけて、オーバーに悲しがって見せている。
「じゃあ、光弘とかどう?」
あたしがそう言うと、穂香は目を丸くして窓際の席の光弘へ視線を向けた。
ネガネをかけた光弘は貴久と楽しそうに会話をしているところだった。
「光弘はないかなぁ……」
学校までの道のりがもう少し長ければいいのにと、あたしは毎朝考えていた。
といっても、貴久とあたしは同じ1年B組の生徒だから行先は同じだけど。
「ナナカおはよぉ! 今日も仲良く夫婦で登校ですかぁ?」
B組に入って一番に声をかけてきたのは森野穂香(モリノ ホノカ)だった。
穂香とあたしは中学時代からの仲よしだ。
貴久は友人の河名光弘(カワナ ミツヒロ)を見つけて、そっちへ行ってしまった。
名残惜しさを感じながらあたしは穂香に近づいて行く。
「夫婦なんかじゃないってば」
「でも毎朝ラブラブだよねぇ。いいなぁあたしも彼氏ほしい」
穂香はチークでピンク色に染まった頬を膨らませている。
「焦って彼氏作ったって続かないよ?」
「だけどあと一か月で夏休みじゃん! 高校最初の夏休みが彼氏なしとか悲しい~!」
穂香は上半身を机にべったりとくっつけて、オーバーに悲しがって見せている。
「じゃあ、光弘とかどう?」
あたしがそう言うと、穂香は目を丸くして窓際の席の光弘へ視線を向けた。
ネガネをかけた光弘は貴久と楽しそうに会話をしているところだった。
「光弘はないかなぁ……」