極上旦那様ととろ甘契約結婚
「思い出してもらったら上手くいくかもってのはただの俺の勝手な期待。それに、記憶を無くしたのは成美のせいじゃないだろ?期待外れだったのは事実だけど、記憶がないの知った時点ではもう手放すなんて考えなれなかったから。俺の事、職場で出会った一人の男として惚れてもらおうと思ったんだ。で、それは成功した、かな?」

悪戯っ子のような笑みを浮かべる彼のの計画通りって言うのはちょっと悔しい。でも私だって修吾さんと離れるなんて考えられないから。この気持ちは全て伝えたい。

「はい。私、修吾さんに惚れました。職場で会ってた時は仕事は出来るのに感情が見えないロボットみたいな人だって思ってたけど。一緒に暮らして、優しさに触れて、大切にされて、幸せで。私も修吾さんに優しくしたい、幸せにしたいって心から思ったんです。でも修吾さん、私に黙って有給取って、なのに仕事だって嘘ついて。週明けには帰って来なくなって……」

最後まできちんと伝えたいのに、どうしても感情が昂って瞳に涙の幕が張る。それが溢れないように、被害者だと思っているんじゃないと知ってもらえるように、私はまっすぐ視線を逸らさない。そして修吾さんも、そんな私の視線を気持ちごと受け止めてくれた。

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