極上旦那様ととろ甘契約結婚
「有給、使ってたの知ってたんだ?」

「一緒にランチ行ってた派遣仲間が、ビックニュースだって連絡くれて」

「そうか。心配させて、ごめん。ちょっと手伝ってる叔父の会社でトラブルがあって、その対応で休んだんだ」

「役員、されてるんですね。あゆみさんに聞きました。叔父様やお爺様に頼りにされてるって」

「今はね。後継者になる予定の従兄弟がまだ若いからってだけさ。でもま、俺としても航一郎には早いとこ成長して欲しいかな。今回も先週で片付いたはずが随分と振り回されて……。結局家には帰れないわ、成美の作った夕食も食べられないわ、散々だった」

「体調だって……」

倒れるくらいなんて、どれほどのハードワークだったんだろう。想像するだけで苦しくなる。

「あー、それはちょっと自業自得もあるかな」

少し歯切れの悪い修吾さんは「ごめん」と謝りながら頭をかいた。

< 122 / 133 >

この作品をシェア

pagetop