極上旦那様ととろ甘契約結婚

幸せな後日談

洗い晒しのシャツにゆったりとしたラインのロングスカートで軽やかにキッチンを動き回る。てきぱきと手際良く支度しながら、その表情は穏やかで柔らかい。

尊い、と思う。
新聞に目を通しながら自分の妻がとれだけ可愛いのか、どれだけ自分が幸せかを噛みしめるこの時間は、毎朝の至福のルーティンだ。

「お待たせしましたー」

お盆に乗せて運んできた二人分のお茶碗と味噌汁を並べてくれる成美には内緒だけれど。

「ありがとう。今朝も美味そうだな」

そう言って、向かいで嬉しそうに微笑む彼女と一緒に手を合わせる。

「いただきます」

食事を始めた彼女は持ち上げた味噌汁の碗越しにそっとこちらの様子を伺う。

俺の食べた感想が知りたいのだろう。口にした味噌汁より何よりその仕草の方が俺の心を鷲掴んで仕方ない。毎回最高に美味い朝食とそれを作ってくれる成美には申し訳ないが。