極上旦那様ととろ甘契約結婚
勿論、二度と成美にあんな顔をさせるつもりはないから体調管理には万全を期すが、そのおかげでこの幸せな毎日があるのもまた事実なのだから。

夜は一緒に眠り、一緒に食事をして、二人が一緒にいる未来を語る。これ以上の幸せはないと思う。でもだからこそ、気になる事がある。

機嫌良く朝食を食べる成美に、そっと提案してみる。

「週末、買い物に行かないか？」

「買い物ですか？」

小さく首を傾げる仕草も可愛らしくて、抱き締めたくなったが、今はこの話を進めるのが先だ。伸ばしたくなる手は箸と茶碗をギュッとにぎる事で耐えた。

「あぁ。洋服を見に行こう」

「洋服……ってスーツですか？それとも私服？」

「私服だよ。と言っても俺のじゃないが」

物欲もないうえに甘え下手な成美は俺の洋服を買いに行くのだと思ったらしい。彼女の思考回路からしたらそれが平常運転か。
俺の返事も上手く理解出来ないらしくて、傾げた首の角度が深くなる。

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