極上旦那様ととろ甘契約結婚

後、一ヶ月ちょっとしか会社にいないから次のバレンタインは関係ない。そう思えばやっぱりちょっと切なくて、眉尻が下がってしまった。

そんな私の様子に合点がいったのだろう。高崎主任が慌てて声を上げた。

「違う！違うぞ！」

「え？」

「俺が君に話したのは結婚しようと思っているからだ」

「あ……」

真っ正面から強い視線で見つめられて言い切られると、照れる。赤面するのを止められなくて、耐えきれずに下を向いた。

「ーーー話が出た事だし、昼間の提案について話してもいいか？」

「はい……」

下を向いたまま小さく頷くと、はぁっと大きく息を吐く音が聞こえた。高崎主任も緊張しているのだろうか？

「結婚、という提案がとんでもなく突拍子もない事だとは分かっている。だが、これは俺と君にとってベストな提案なんだ」

「ベスト、ですか？」