極上旦那様ととろ甘契約結婚
「昨日で君とは同じ職場ではなくなったのに、未だに『主任』と呼ばれるのはおかしくないか?役職名は将来的にどんどん変わっていくし、実際に俺は来春には主任ではなくなる」

聞いてなるほど、と思う。

「あっ、そうですね。じゃあ……『高崎さん』ではどうです?」

「今日から君も『高崎』になるのに?」

「そういえば、そうですね。とすると……うーん」

「修吾」

「え?」

「修吾、と名前で呼んで欲しいんだが」

確かに名字で呼ぶのはおかしいし、配偶者を役職で呼ぶのは変過ぎるだろう。それは理解出来るけれど、だからといって急に下の名前を呼び捨てなんてハードルが高すぎる。

「あー……じゃあ、『修吾さん』で」

「分かった。それで手を打とう」

『手を打とう』ということは本当は呼び捨てが良かったのか。さん付けのどこがダメなのかと疑問に思いながらそれには触れず、私は別の事を聞いた。

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