極上旦那様ととろ甘契約結婚
その母の口癖はしっかり自分に染み込んでいて、一人で暮らすようになってからも食事には気を使ってきた。ただ、一人だったから口には出すことはなかったけれど。

この言葉ともう一つ、二つの言葉が私を今までを支えてくれた。

「あれ、誰が言ってたんだっけ?」

いつ聞いたのかもよく覚えていない。でも確か、あれは……



「……み?成美!」

「え!?」

ぐっと肩を掴まれて笑に帰った。どうやら考えこんでフリーズしていたらしい。お風呂上がりの修吾さんは心配そうに皿を手にしたままのわたしを見つめている。

「大丈夫か?」

「あ、ごめんなさい。ちょっと考えこんじゃってて……」

「ーーーそれはさっきの?」

「いえ、そうじゃないんです。ちょっと考え事しちゃって」

ははっと笑ってとり繕いながらてきぱきと皿洗いを終わらせる私を、修吾さんはじっと見つめたまま口を開いた。

「疲れてるんじゃないか?」
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