極上旦那様ととろ甘契約結婚
ダブルワークですか?
「長風呂過ぎたぁー」

ちょっとふわふわするのを自覚して、水を飲もうとキッチンに向かう。その途中で、あれ?と思った。
いつもならリビングで寛いでいるはずの修吾さんの部屋の明かりがついているのだ。

お互いにお風呂に入った後、私達はゆったりと会話をするのが暮らし出した初日からの習慣になっている。どちらから言い出したものでもないが、その時間でお互いの距離を縮めているところもある、今では大切な時間。

私がお風呂から出た時にどこにいたって修吾さんの自由だけど、ちょっと寂しく感じるのも正直な気持ちだ。だから、と理由を付けて少し空いた扉の隙間からそおっと中を覗いてみたら、デスクで修吾さんはパソコンを開いて熱心に見つめている

「仕事、かな?」

心の中で呟いて、首を捻る。だって彼は「家に仕事は持ち帰らない」と宣言しているし、実際に部下だったころから持ち帰っているのを見たことがない。
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