極上旦那様ととろ甘契約結婚
「そう。正確には母方の叔父と従兄弟からだよ。人手が足りないっていうのが表向きの理由だけど、本当は俺の事を心配してるんじゃないかな。あまり人付き合いをしないタイプだから」

「そうだったんですね。じゃあ、もしかしていままでも?」

結婚して同居を始めて一ヶ月。私は修吾さんのこんな姿を見た事がなかった。だからまぁ、今夜のような失敗をしでかしたんだけど。

「就寝前に少し、ね」

困ったように誤魔化した言葉は、きっと私の反応の予想がつくからだろう。その証拠にボソボソと言い訳のような言葉が続く。

「ホント、大した事はしてないんだ。時間だってそんなかからないし、毎日やってるわけじゃないし、さ」

「でも仕事があるなら言ってくれたら良かったんです。そしたら私もくだらないお喋りなんて止めて……」

「でもホントに負担じゃなかったし、それより……」

「でも……」

浮かれた毎日で、全然気付けてなかった。修吾さんは私が早くここでの生活に馴染めるように労ってくれていたのに、私はちっとも気付けなかった。それが苦しくて申し訳ない。

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