極上旦那様ととろ甘契約結婚
その夜は久しぶりに夢を見た。すぐに気付いたのは、それが何度も見ている夢だから。

『信じられない？』

『信じたいけど……』

『じゃあ信じてみなよ。信じて、それで無理だったら、神様じゃなくてぼくが助けてあげるから』

いつもと同じ、淡々とでもきっぱりとした物言いで話す相手に、私は理由もなく信じている。

夢なのに、夢の中だと分かっていても私は全面的に信じていて、ちょっと笑えてくる。

だから私は、彼に「信じる」って伝えようと思って、そのために彼の方を向いた瞬間。

「しゅ、修吾さん！？」

ガバッと布団を跳ね除けて起き上がった。そして、現実世界に戻ってきたのだと理解して、崩れ落ちた。

「自分の声で夢から覚めるとかどうなの……」

声さえもぐったりしてしまう。

いつも見る夢がいつもと違う展開をした理由は分かっている。分かっているから脱力してしまうのだ。

「だって昨夜……」

そおっと自分の唇に手を当てて赤面してるとか、変態くさい。でも記憶が映像が鮮明過ぎてどうしようもないのだ。



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