極上旦那様ととろ甘契約結婚
昨夜近づいてきた修吾さんの唇は、私の唇にそっと触れた。そのまま気遣うように慰めるように、頬や眦や額にも落ちてきて。それから、固まったままの私に気付いて小さく苦笑して。
「おやすみ」
穏やかな声で告げて、寝室まで送り届けてくれた。
送り届けてくれる間、ほんの十数歩の間だったけれど、暖かな掌がずっと肩や背中にあって。
「ダメダメダメダメっ!これ以上思い出したらダメだってばっ!」
布団の中でじたばたしたって記憶が消える訳じゃない。それどころか顔が近づいてきたとき見えた睫毛の長さや唇の感触の記憶が蘇ってくる。もう泣きたくなる、と視線を動かした次の瞬間、私はもう一度跳ね起きた。
「時間っ!!!」
夢のせいか昨夜の衝撃のせいか、いつもより寝過ごしてしまった。いつもならそろそろ修吾さんが朝食を食べ始める頃だ。
「寝坊しましたっ!」
ダッシュでキッチンに向かうと、自分で入れたであろうコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる修吾さんに声をかけて手を洗う。
とりあえず食パンをトースターに突っ込んで目玉焼きを作ろうと冷蔵庫を開けた時に気付いた。
「おやすみ」
穏やかな声で告げて、寝室まで送り届けてくれた。
送り届けてくれる間、ほんの十数歩の間だったけれど、暖かな掌がずっと肩や背中にあって。
「ダメダメダメダメっ!これ以上思い出したらダメだってばっ!」
布団の中でじたばたしたって記憶が消える訳じゃない。それどころか顔が近づいてきたとき見えた睫毛の長さや唇の感触の記憶が蘇ってくる。もう泣きたくなる、と視線を動かした次の瞬間、私はもう一度跳ね起きた。
「時間っ!!!」
夢のせいか昨夜の衝撃のせいか、いつもより寝過ごしてしまった。いつもならそろそろ修吾さんが朝食を食べ始める頃だ。
「寝坊しましたっ!」
ダッシュでキッチンに向かうと、自分で入れたであろうコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる修吾さんに声をかけて手を洗う。
とりあえず食パンをトースターに突っ込んで目玉焼きを作ろうと冷蔵庫を開けた時に気付いた。