極上旦那様ととろ甘契約結婚
「あの、しゅう、ごさん?」

「くくくっ、はっはははっ!」

振り返ると体を折り曲げて全力で笑っている修吾さんがいた。

「あのー?」

「ははっ、いやだって予想外過ぎるから」

「はい?」

「昨夜の事があって、今朝はどうやって接しようかって随分悩んでたっていうのに、くくっ。ホント、面白い」

どうにも笑いがおさまらないのか、説明の合間合間に笑い声が挟まってくる。
それでもどうにか笑いをおさめることに成功した修吾さんは、ぽかんとしたままの私の側に来た。

その瞬間、私に昨夜の記憶が蘇ってきた。

「あっ……」

顔も体も暑い。きっと全身茹で蛸みたいに真っ赤なはずで、咄嗟に俯いた。
その私の頭に昨夜と同じ、暖かな掌がぽんっと触れて。

「良かった。忘れられてた訳じゃないんだな」

優しい声音に顔を上げると、修吾さんが楽しげに笑っている。
そのまま体の向きを変えるとこんがり焼けたトーストを取り出して、悪戯っぽく呟く。

「意識されてなかったらそれも傷付くし」

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