極上旦那様ととろ甘契約結婚
「私もすぐには信じられなかったんですけどね。人事から言われて了承の判断したっていう課長に確認しようとしたら、急に打ち合わせ入ったって逃げられたんで」

「あの人責任取るの嫌いだからな……」

「管理職なんだから嫌いで済まされても困るんですけどね。人の人生左右してるんですから」

「そうだな。申し訳ない」

「いえ、高崎主任に謝って頂く理由はないので」

自分でも可愛げのない話し方をしていると思うけど、ささくれ立った心ではどうしようもない。せめてこれ以上はやめようと、話は終わりだとPCを立ち上げた。

そのまましばらく画面を見て操作していると、左に人の気配を感じる。それがやけに近い気がして振り向くと、想像以上の近距離に主任が立っていた。

高崎修吾。32歳のはずの彼は来春に課長に昇進するのが確実だと言われている。上が詰まっているこの会社で三十代前半での課長は異例中の異例だが、彼の昇進は驚かれる事は全くない。それだけの実績を残しているのだ。

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