極上旦那様ととろ甘契約結婚
「ーーーごめんなさい」

日頃、私に気付かれないようにどれだけの仕事をこなしていたんだろう。YOSHIKAWAの仕事だって昇進前で忙しかったはずなのに、別の会社の役員もしていただなんて、どんなに無理をしていたのか。

それなのに、休日には買い物に付き合ってくれた。家事も手伝ってくれて、海にも連れて行ってくれた。
今回トラブルがあって多少無理をしたとしても、日頃の睡眠不足や疲れが溜まっていなければ倒れたりしなかったはずだ。

「やっぱり私、奥さん失格ですね……。何にも気付かなかったくせに修吾さんに告白しようとしてたなんて、ほんとダメダメで……」

家に帰ったら急いで荷物をまとめよう。万全の看護をして、そして修吾さんの体調が回復次第出ていこう。

すべき事ははっきりしてるのに、修吾さんに触れた手を離せない。やっと自覚したばかりの気持ちは未練が多くて、みっともなくて困る。

滲みそうになる涙を堪えて、部屋を出るまでにもう一度、と修吾さんの顔を覗き込んだ時、切れ長の瞳がゆっくりと開いた。

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