極上旦那様ととろ甘契約結婚
取り乱したのを取り繕うように、修吾さんはコホンと一つ咳払いをして座り直す。
「ーーー点滴、苦手なんです」
どう話を切り出そうかと視線を泳がせる修吾さんに、私は静かに話しかける。
「苦手?」
「はい。母が事故にあった時に病院で見た記憶を思い出すので。今思えば、お医者さんが必死に助けようとしてくれたから点滴してたんだと思うんですけどね。青白い顔で点滴してた母の映像はかなりショックで」
いつも元気で娘の私には笑った方ばかりを見せてくれていた母だったから、余計にショックだったのだ。
そしてそれは私が自分の弱さを嫌う原因にもなった。もっと私が強ければ、母も弱い部分をさらけ出せたのではないか、と。
「修吾さんも、ですよね。私がもっとしっかりしてたら、強かったら、こんな倒れるまで無理はしなかった」
唇を噛み締め俯いて、膝の上でギュッと握りしめた拳だけを見つめる視界がゆっくりと歪んでいく。
そして拳にポタポタと涙が落ちた時、私の心も堰をきったのだろう。言葉達が止められずに溢れ落ちた。
「ーーー点滴、苦手なんです」
どう話を切り出そうかと視線を泳がせる修吾さんに、私は静かに話しかける。
「苦手?」
「はい。母が事故にあった時に病院で見た記憶を思い出すので。今思えば、お医者さんが必死に助けようとしてくれたから点滴してたんだと思うんですけどね。青白い顔で点滴してた母の映像はかなりショックで」
いつも元気で娘の私には笑った方ばかりを見せてくれていた母だったから、余計にショックだったのだ。
そしてそれは私が自分の弱さを嫌う原因にもなった。もっと私が強ければ、母も弱い部分をさらけ出せたのではないか、と。
「修吾さんも、ですよね。私がもっとしっかりしてたら、強かったら、こんな倒れるまで無理はしなかった」
唇を噛み締め俯いて、膝の上でギュッと握りしめた拳だけを見つめる視界がゆっくりと歪んでいく。
そして拳にポタポタと涙が落ちた時、私の心も堰をきったのだろう。言葉達が止められずに溢れ落ちた。