【短編】クリギリ・ナイト
女・ウォッチング
お洒落なカフェでカプチーノを飲みながら、ガラス越しに行き交う人を眺める、男二人。
ここ1ヶ月、このカフェには通いづめで。
タバコを吸いながら、クールに外を見つめる優と、ただ、ぼ〜と外を見つめる司。
二人の目的は、ズバリ、いい女、探し。
「あっ、あれよくない?」
司が指をさした先には
「あんなのダメダメ〜
って、胸だろっ。
たしかに大きいけど、見せすぎ〜。」
「あの谷間よくない?
そそるよなぁ〜。」
「俺はちらりが好きなの。下に落ちた物を拾うときに、ちらりと見えるじゃん。やっぱ、あれじゃあなきゃあ、ダメ。だから、パス。」
優くんは胸にはこだわってないらしい。
僕はそりゃあ、大きい方がいいに決まってる。
「優くん、あれは?」
「あれね、ああ、司のタイプだな。ロング、茶髪、ショーパンにロングブーツにお姉系と。」
「優くん、もう一人もなかなか〜だけどねぇ〜?」
「パスだな。
ちょっと今までにないタイプにしょーぜ。」
優くんは男の僕から見ても、いい男で、中学から、ずっと告白なんて、いっつもで、バレンタインの時なんか山ほど、チョコを貰っていたっけ。
黙ってても、女の子がぞろぞろついてきて、常に横にいる僕だって、あの目で見つめられたら
見つめられたら…
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