【短編】クリギリ・ナイト
初めて正式に付き合った彼女だった。
女の子に声をかけるのは、まだ二度目で。
「ねえ、彼女、何してんの?」
麻美ちゃんは僕をみるなり、「暇だよ〜かわいい〜
タイプ。」
かる〜い感じで答えると、いきなり、僕の手を握り
「今から遊びにいこっ。」
ちょっとクールに決めたい僕は、冷めた口調で
「じゃあ、どこいく?」
なーんて、言っちゃったんだよね。
心の中でガッツポーズを繰り返ししてはいたけど。
一人で声かけちゃったよ。
いつもは優くんが横にいて…
男だろっ
司、男だろっ
と、心で呟きつつも不安になっていった。