【短編】クリギリ・ナイト
優くんは、するりと僕の横をすり抜け、その子の横に並び、声をかけてる様子。


優くんが女の子に、なんて言って声かけるのか凄く興味がある。




「あの…彼女、暇?」



なんて、普通なんだ!!普通すぎる。


予想では、初めて声をかけてくれたのが、優くんなわけで、その子にとっては、今日は記念すべき日になるはず。


きっとそうだよ。




その子は、ぽぅ〜と頬をピンク色に染めて、下をむいたまま。


下をむきすぎて、メガネが…
メガネがずれてるし。




「あの…彼女?…大丈夫?」



優くんがまた囁くと、彼女は、しばらく考えこみ

何もいわずに、ダッシュした。



優くんたら、逃げられたの?


まさか…

あまりにも純情で、どうしていいのか、わからなかったとか??



…優くんの罪男。




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