【短編】クリギリ・ナイト
二人を連れて優くんの待つカフェにはいると、優くんはやっぱりニヤニヤしたままで。


「優くん、連れてきたよ。」


「おぅ、司、サンキュー。」


自然とにやつく俺。

冷静になれ…俺。



「あの…座っていいですか?」


「ああ、どうぞ、どうぞ。」


優くんの視線はなぜか、地味な妹の方で。


「司、おまえはこっちな。」


優くんの指示した席は、綺麗な姉の横。


優くんは自然に妹の横にすわり、かっこよく足をくみ、じっ〜と視線を妹に向けた。


なんでだ??


優くん、そっちは地味な普通のメガネだよ。


姉が切り出した。


「えーと、私が、まゆで、こっちが妹の、りこ。」


「えーと、こっちが優くんで、僕が司。」


「どーも、はじめまして!」


一斉に挨拶がはじまり、僕は姉をまじまじと見てみた。


好みだ!
僕の好みだ!
麻美ちゃんより、綺麗だし、好みだよ〜。







俺の心は悶々としていた。

話せない。
緊張して、話せないんだよ!!

俺はいつもそうだ。

隠れタイプを目の前にすると、ダメなんだよー!

しかし、あのメガネを俺の手で、はずして…

そして…

そして…


それから…


もう、妄想がとまらない俺!!


タイプだよ!!
どんな女の子よりタイプだよ!!



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