【短編】クリギリ・ナイト
「…あの、俺の彼女に…彼女に…なってけろ。」


ぐぅ〜俺としたことが、かみかみになって…け、けろって…けろって〜。


「あはははっ、優くん、緊張して、かわいい〜。」


りこちゃんは俺をまっすぐみつめ、ただ首を縦に、こくりと頷いた。


「えっ?いいの?いいの?」


りこちゃんは何回も笑いながら、こくりと頷く。



俺は、両手を大きく広げ、夜景に向かって叫んだ。



「うぉぉぉぉぉ〜。」



「優くん、恥ずかしいよ。」



こんなめでたい事はない。


夜景をバックに、微笑みながら、目を閉じてる、りこちゃん。


いいのか?いいのかよぉ〜?



「あの…いいですか?」


「はい、お願いします。」


俺はりこちゃんの身体をぐいっと引き寄せ、そして、邪魔なメガネをそっと、はずし、軽くキスをした。


軽いキスに満足できない、りこちゃんは、唇を激しく押しつけてくる。



うぉぉぉぉぉ〜



俺も負けないように、激しくディープなキスを繰り返した。



メガネをはずした、りこちゃんの顔をみようと頑張ってみたが、近すぎて見えない。


唇をはずすと、そこには、綺麗な瞳の、りこちゃんがうっとりとしていた。



「優くん、クリスマスも一緒にいてね。」



「はい。もちろんです。」


激しいキスの余韻を残し、帰りの車でも、ほとんど、話せなかった俺。



司〜きいてっか?みてっか?


みてねーか?


イブの夜、ゲットしたぜ!!


うぉぉぉぉぉ〜。



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