【短編】クリギリ・ナイト
司 SIDE
小学生の頃は決まって、近所のおばさんには

「まぁ、かわいい〜
女の子かと思ったら、よく見たら男の子なのね〜。」

耳が破裂しそうなぐらいに、どこにいっても、このセリフ。


僕がおばさんに、『にかっ』
って、笑うと、おばさんは、「きゃあ〜笑った。かわいい〜。将来は芸能人、決定ね。」

なーんて、僕の将来を勝手に決めていた。



一回だけ、同級生にラブレターをもらった時だって


「司くん、好きです。
だって、だって、かわいいんだもん。
大きくなったら、芸能人になって、お金持ちになってね。」



お金持ちって〜?


まだ小学生なのに、もう、そんな大人な事情を〜?



子供なのに、怖すぎる。


女は怖すぎる。



僕は、3日間も高熱にうなされ、学校を休んだ。




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