僕の家族はなによりも…。
「由紀ー……?」
家の扉を閉めて、目を動かす。
広くて、隠れる場所も多いこの森で…由紀一人を探し出すのはちょっと難しい。
綺麗な蝶々で釣るのは、もう前にやってしまったし…学習してるから効かないだろうなー…。
カラン……と、足に小さな小瓶が当たった。
拾い上げて見てみると、白くて透明な液体が入っている。
なんだろう、これ……?
薬…?
どうして、こんなものがここに…。
その小瓶を、ズボンのポケットに突っ込んだ。
あとで後悔することになるなんて知らずに。