never (上)
「……さかきっ……さん」
「手間かけさせんな」
ーーーギュッ
「……っ…心配っ…させんな」
苦しい程に榊さんに抱きしめられ傷が痛む。
でも…それ以上に嬉しいという気持ちが大きかった。
「ごめんっ……なさい……ごめんなさいっ」
ーーーーーー
「っ!?柚莉ちゃんっ」
優斗さんの声が聞こえて顔を上げる。
そこにはたくさんの車と人がいて…先頭にいた優斗さんが駆け寄ってくる。
「っばか!何してんの!」
「っ……ごめんなさい」
「っ車から飛び出すとか……報告受けた時…心臓止まるかと思ったっ」
よく見ると優斗さんの頬に涙の筋があった。
「泣いて……たんですか?」
「っ…うるさい…」