never (上)
「あのっ…具合が悪いなら…見てもらった方が」
そう言いながら曽田爺のほうを見る。
「大丈夫じゃよ。こんなヤンチャ坊、見なくてもどこも悪くないわい」
「おい…クソジジイ」
「なんだ…良かった。安心しました!」
「…っ」
何だこの笑顔の破壊力は……。
会った時から思ってたけど……柚莉って結構な美少女じゃねぇ?
「おい……夏目よ。お前さん、今顔真っ赤じゃぞ?」
「あ?誰がだって?」
曽田爺……柚莉の前でなんてこと言いやがる。
「あのっ……さっきから聞きたかったんですけど……」
柚莉がなんだかかしこまったように聞いてくるからこっちも
身構えてしまう。
「そちらの方は?」
「ん?……あぁ、この人は曽田爺」
「じゃなくて……後ろの…」
後ろ?
パッと後ろを振り返ると、部屋の入口にノートパソコンを持った奴が…。
「…若。探しました。それに突然あんな大胆に組を動かされて……。
頭がなんて言うか……」
「こいつは、蘭(らん)」