never (上)
私は、自然と繋いでる手へと目を向ける。
私と……榊さんの……手が……。
「あっあの!?これはなんというかっ!ほんとに!ほんとに違うんです!!」
「ぷっ…あははっ……ひぃ…ふふっ」
お腹を抱えて大爆笑の蘭さん。
もしかして、私またからかわれてる?
「蘭よ。もうその辺にしてあげなさい」
「おや、曽田爺…居たのですか?」
「ここは私の仕事場じゃ」
「そうでしたね。失礼しました」
すると蘭さんは少しの時間考える素振りを見せた。
頭の整理が出来たのかこちらに満足そうな瞳を向ける。
「では、場所を変えましょうか。こちらへ」
私に手を伸ばす蘭さん。
えっと……これって、受け取った方がいいのかな?
礼儀はしっかりしないと。
「おい」
「はっ…はい!」
「……ん」
「……?」
「ほら、手を出せ」