never (上)
……そう…笑えるよ……ほんとっ。
私は涙を隠すように教室を飛び出した。
「あれれ〜高梨さんどこに行くの〜?」
後ろから聞こえる馬鹿にしたような声が酷く胸に刺さる。
「……はぁ」
屋上のフェンスに手を掛け顎を乗せる。
毎日のようにいじめを受けるからなのかいつの間にか私は
人間不信になり人嫌いになった。
こうなったのは私の容姿のせい。
薄く透きとおるミルクティー色の髪の間から見える金色の長い髪。
ブラウンに青の縁がある瞳。
ほんとに誰が見ても外国人の少女。
私の本名は高梨•シャロン・柚莉。
アメリカ国籍で私の母がアメリカ人だった。
初めは外国人が珍しいのか面白半分でからかってたけど
日が経つにつれてそれはいじめに変わった。
それでも……一年間…私は耐えた。
でも……もう限界だよ。
「……望夢」
貴方がそっちにいってしまったから私はまた一人だよ…。