never (上)
今、夏目の瞳には不安、恐怖、期待。
いろんな感情が混じっていて……。
「……っっ!?」
自然と抱きしめたくなった……。
「私は、極道のことよく分からないんですけど……夏目は好きですよ?」
背中に回る腕にギュッと力を込める。
「例え…夏目が殺し屋だったり犯罪者だったとしても…私は夏目のことを怖いとは1ミリも思いません」
あなたの言葉で私が安心するように私も、私の言葉であなたが安心できたら……。
私に…そんな力があれば。
貴方を何時でも救えるのに……。
「……夏目。大丈夫ですよ」
「…っ柚莉。…ありがとう」
綺麗な声で綺麗な笑顔で素敵な言葉を私にくれる。
「……ふふっ」
1人だった時とは全然違う……。
ふたつの温もりが同じ空間にある。
それだけでも……すごく嬉しい。
やっぱり……離れたくない。夏目と……。
貴方の温もりと……。