never (上)
ーーーー
「こんばんは……」
「あら!ゆーちゃん!どうしたの?あっ薬?」
この人は看護師の彩華(さやか)さんこと通称さやちゃん。
とても優しくて美人な人。
私が話せる人の一人。
「あっうん……もう切れちゃって」
「そう…はい、これ。えっと、今度いつ取りに来る?」
「来月の初めくらいかな……」
「分かったわ!そうだっ……帰り気をつけてね?最近ガラの悪い
奴らがここら辺うろついてるから」
「うん…気をつける…ありがとう」
病院を出て薬の入った袋をカバンの中に入れる。
なるべく早く帰ろ……さっきさやちゃんも言ってたし。
私は近道をするためにあまり通らない道を選んだ。
でも…それが間違いだった。