君を離さない。
出会い
まるで木の葉が生きてるように俺の足元を走り回る。
ザッザッと足音を立ててゆっくりと学校に向かう。
俺の名前は神田雄介(カンダユウスケ)
有名校でも私立高でもない。
ただの公立の学校に通う高校三年生。
夢もなければ周りが騒ぐ愛だの恋だの全く興味もない。
ただ毎日過ごす。
人間はいつか死ぬんだ。
今まで人並みに人と付き合ってきた。
けどみんな一緒にいてつまらないだの
友達に自慢できないだの
いろんな理由並べては離れていった。
愛ってなんだ?恋ってなんだ?
そんなの時間の無駄なだけだろう。
俺はきっと誰よりも冷めきっていた。
学校の門を抜けると足を止めた。
フワッと金木犀の香りが全身を包み込んだ。
全身に電気が走ったような刺激が頭を真っ白にした。
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