君を離さない。
花火を始めると舞と龍二は花火を2本ずつ持ち、2人で走り回るようにはしゃいでいた。
そんな横で2人を見て微笑みひとり、線香花火をしてる唯がいた。
俺は、唯の方へと向かう。
「一緒にやってもいいかな?」
「あ、、うん、いいよ。」
少しぎこちないが、唯はコクリと頷いてくれた。
「唯って呼んでいい?」
「、、、慣れてるね。いいよ」
慣れてる。
その言葉にチクリと胸が痛んだ。
「あ、ごめん。こんな馴れ馴れしくされたくないか」
「いや、ごめん。そんなつもりじゃないんだ」
ちょうど同じタイミングで花火に手を伸ばしたので、唯と手が触れた。
その瞬間唯は、驚いたのかびくりとした。
「ごめん!」
俺が謝り、唯の方を見ると
驚いた。
そんな表情というより
恐怖。
その方が合うような表情だった。