君を離さない。


花火を始めると舞と龍二は花火を2本ずつ持ち、2人で走り回るようにはしゃいでいた。


そんな横で2人を見て微笑みひとり、線香花火をしてる唯がいた。


俺は、唯の方へと向かう。

「一緒にやってもいいかな?」

「あ、、うん、いいよ。」


少しぎこちないが、唯はコクリと頷いてくれた。


「唯って呼んでいい?」

「、、、慣れてるね。いいよ」

慣れてる。

その言葉にチクリと胸が痛んだ。


「あ、ごめん。こんな馴れ馴れしくされたくないか」

「いや、ごめん。そんなつもりじゃないんだ」


ちょうど同じタイミングで花火に手を伸ばしたので、唯と手が触れた。

その瞬間唯は、驚いたのかびくりとした。

「ごめん!」

俺が謝り、唯の方を見ると
驚いた。
そんな表情というより
恐怖。
その方が合うような表情だった。

< 12 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop