君を離さない。


「あ、、、ごめんなさい、、」

「、、、もし嫌だったら無理して言わなくていいんだけど。
何かあった?」

そう尋ねると唯は下を向く。

しばらくすると口を開いてくれた。


「わたしの家、父子家庭なんだ。
お母さんはわたしじゃなくて男の人選んで出て行っちゃった、、、。
大学生くらいの若い男の人。
わたしそこから同世代の男の人見ると勝手に身体が拒否しちゃうんだ」

静かに話す唯。
周りの雑音が全て無くなったような、唯の声しか俺の耳には入ってこなかった。


「俺、、、もっと唯を知りたい。唯の過去を受け止めたい。」

考えるよりも先に口が開いていた。

唯は、驚いたように目を見開き俺を見る。


しかし、しばらくすると悲しみの顔に戻る。


「、、、そんなこと男の人に言われたの初めて、、ありがとうね雄介くん」

俺はその言葉に嬉しさが溢れて口を開こうとするが、唯の次の言葉に何も言えなくなった。

「昔、レイプされたんだ。」


未遂で助かったらしいが、逃げるために暴れた時に男が持っていたカッターがお腹部分にかすってしまい、今も傷が薄く残っているという。


そんな過去があったなんて、、。
そう思うと会った時の怯えた表情がわかる気がした。

そんなことを考えていると時間が経ち、お開きになった。


4人で歩いて帰る。

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