君を離さない。
舞の家に着くと、龍二は今日泊まるらしく2人になった。
足音が静かに響く。
何を話そうか。
なんて声をかけるべきか。
そんなことを考えていると唯が口を開く。
「わたしこの角曲がったら家だから、、」
「あ、、家まで送るよ。」
そう言って角を曲がろうとする。
「やめて!」
唯の大きな声が響く。
唯はハッとして慌てて謝った。
「お父さん、、きっとびっくりしちゃうから、、、それじゃあ」
唯が俺からだんだんと離れていく。
どうしたらいいんだ。このままでいいのか?
自問自答をする。
ダメだ。男だろ!ちゃんと言わなきゃ!
「唯!」
唯の足が止まり、俺の方へと向く。
「俺、まだ会ったばっかだし信用できないかもしれないけど。
唯のことが好きになった。他の男と同じように見られたくない。
少しずつでいいから俺を知ってほしい!」
一気に言うと驚いてる唯をよそに、電話番号を唯に強引に渡した。
「俺のこと少しでも知りたいって思ってくれたときにでいいから!
番号から登録して連絡が欲しい!
じゃあおやすみなさい!!」
そう言うと、俺は走って家まで帰る。