夫婦はじめ~契約結婚ですが、冷徹社長に溺愛されました~
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そのあと、私は春臣さんのパートナーとしてせっせと働いていた。
秘書も兼ねていると言うと驚かれたものの、男性からはおおむね良好な反応を得られる。
むしろ「うらやましい」とまで言われる始末だった。
かなり本気でその反応をしたベンチャー企業の社長は、先日結婚したばかりの妻と片時も離れたくないためにいろいろと考えている最中だと言っていた。私の話を聞いて「その手があったか」という気付きを得たらしい。
それはそれでどうなのだろうかと思いつつ、春臣さんがちょっと得意げにしていたからなにも言わないでおく。
「必要な方とはだいたいご挨拶できましたかね?」
私が言うと、春臣さんは無言で頷いた。
挨拶回りの途中から腰に回されていた手は、まだ離れる気配がない。
「たくさん話して疲れましたね。飲み物を取ってきます」
「それなら俺が行ってくる」
「飲み物を回収している社長さんより、飲み物を待っている社長さんの方が話しかけやすいと思います」
「そうか……?」