夫婦はじめ~契約結婚ですが、冷徹社長に溺愛されました~
騙していたことを怒られるのかと思いきや、時治さんが怒っているのは私を巻き込んだことのように聞こえたからだ。
「倉内さん、私は――」
「奈子」
私から説明しようとすれば、春臣さんに止められる。
「最初はそうだったが、今は違う」
「……何?」
「俺は奈子を愛している」
ぎょっとしたのは私だけでなく、進さんと時治さんもだった。
それはそうだろう。春臣さんはそういうことを言うタイプの人ではない。
「祖父さんに何を言われようと離婚するつもりはない。奈子は俺が幸せにする」
「あの、春臣さん」
「これからも俺の側にいてくれるんだろう?」
そう聞かれてしまえば、二人の視線が気になるのはともかく、頷くしかない。
春臣さんは私の反応に満足すると、今度は険しい目で二人を見つめた。
「それより、聞きたいことがある。……俺が結婚するように仕向けたのは海理と祖父さんだな?」
え、と睨まれている二人に目を向ける。
二人は互いの顔を見合わせて、ほぼ同時に苦笑した。
「ごめんなー、春臣。お前がぜんっぜん結婚しそうにないんだけどどうしたらいい? って時治さんに相談されちゃってさ」
「お見合いでも何でもすりゃあいいのに、このままじゃずっと独り身のまんまだろう。曾孫の顔を見るまでは死んでやらねえからな」
「……少しは悪びれたらどうなんだ」
私だけ話についていけない。
ぽかんとしていると、春臣さんが説明してくれた。
「倉内さん、私は――」
「奈子」
私から説明しようとすれば、春臣さんに止められる。
「最初はそうだったが、今は違う」
「……何?」
「俺は奈子を愛している」
ぎょっとしたのは私だけでなく、進さんと時治さんもだった。
それはそうだろう。春臣さんはそういうことを言うタイプの人ではない。
「祖父さんに何を言われようと離婚するつもりはない。奈子は俺が幸せにする」
「あの、春臣さん」
「これからも俺の側にいてくれるんだろう?」
そう聞かれてしまえば、二人の視線が気になるのはともかく、頷くしかない。
春臣さんは私の反応に満足すると、今度は険しい目で二人を見つめた。
「それより、聞きたいことがある。……俺が結婚するように仕向けたのは海理と祖父さんだな?」
え、と睨まれている二人に目を向ける。
二人は互いの顔を見合わせて、ほぼ同時に苦笑した。
「ごめんなー、春臣。お前がぜんっぜん結婚しそうにないんだけどどうしたらいい? って時治さんに相談されちゃってさ」
「お見合いでも何でもすりゃあいいのに、このままじゃずっと独り身のまんまだろう。曾孫の顔を見るまでは死んでやらねえからな」
「……少しは悪びれたらどうなんだ」
私だけ話についていけない。
ぽかんとしていると、春臣さんが説明してくれた。