記憶の中の貴方
「例えば……今、学校にいます。アメリカに行きたいのですが、どうすれば行けますか?って聞かれたらどうする?」
「飛行機に乗ったら行ける」
予想通りの返答で、思わず頬が緩んだ。
志鶴ちゃんは不機嫌そうにそっぽを向いた。
「ご、ごめん」
慌てて謝るけど、志鶴ちゃんの機嫌は直らない。
「それが、証明問題が苦手な人の答えだと思うんだ。今、学校にいるのに、どうやって飛行機に乗るの?って話。まずは学校から空港への道のりを言わなきゃならない」
納得してくれたのか、目を見開いていた。
だけど、少しすると、また元に戻ってしまった。
顔にだから?と書いてある。
「だ、だから、自分がどう考えて、その結論に至ったのかを一つ一つ書くと、証明になるんだ。普通の問題を解くのと、ほとんど変わらない」
志鶴ちゃんは少し固まると、黙ってシャーペンを手にした。
「……教えて」
自力で考えようとはならなかったみたいだけど、少しでも前向きに取り組もうとしてくれよかった。
僕は答えではなく、ちょっとしたヒントを出しながら、志鶴ちゃんに解いてもらった。
「うん。これでこの結論に文句を言う人はいない証明が出来たね」
解答が埋まったプリントを見ながら、ありがとうと呟いた志鶴ちゃんは、とても可愛かった。
「飛行機に乗ったら行ける」
予想通りの返答で、思わず頬が緩んだ。
志鶴ちゃんは不機嫌そうにそっぽを向いた。
「ご、ごめん」
慌てて謝るけど、志鶴ちゃんの機嫌は直らない。
「それが、証明問題が苦手な人の答えだと思うんだ。今、学校にいるのに、どうやって飛行機に乗るの?って話。まずは学校から空港への道のりを言わなきゃならない」
納得してくれたのか、目を見開いていた。
だけど、少しすると、また元に戻ってしまった。
顔にだから?と書いてある。
「だ、だから、自分がどう考えて、その結論に至ったのかを一つ一つ書くと、証明になるんだ。普通の問題を解くのと、ほとんど変わらない」
志鶴ちゃんは少し固まると、黙ってシャーペンを手にした。
「……教えて」
自力で考えようとはならなかったみたいだけど、少しでも前向きに取り組もうとしてくれよかった。
僕は答えではなく、ちょっとしたヒントを出しながら、志鶴ちゃんに解いてもらった。
「うん。これでこの結論に文句を言う人はいない証明が出来たね」
解答が埋まったプリントを見ながら、ありがとうと呟いた志鶴ちゃんは、とても可愛かった。