寮での秘密……
次の仕事見つけなきゃ
一人の夕食を簡単に作り、食事をしながら携帯の求人アプリを開く
せっかく栄養士の資格取ったんだから活かしたいしな、求人はやっぱり病院や、保育園、学校給食……作る人数が多いよねー
栄養士関係なく探そうかな〜
家事代行サービスとかも頭に入れて、最近カリスマ的な人多いからな、そこまでは無理だけど……
一つの求人に手が止まった
『寮母さん募集!住み込み可、急募!』
住み込みか〜まあ、家賃も考えると今のままじゃ厳しい……
取り敢えずチェックと電話もしてみよう
大学寮か……寸胴鍋かなー、大きいとまた腰痛めるしそこはちゃんと聞くところだよね……
葉月は次の日電話をして夕方仕事終わりに見学することになった
室山大学学生寮1
「すみません、三宅と申しますが……」
「あー、三宅さん、ちょっ、ちょっと来て!」
「は、はい!」
奥から急いで出てきた20代後半か、30代前半と思える女の人に連れていかれたのはキッチンだった
「ごめん!本当に急で悪いんだけど手伝って!」
「は?」
エプロンと三角巾を渡された
「えっ、いきなりですか?」
「さっきね、保育園から電話がかかってきてね、今日19時まで預かってもらうようにしてたんだけどグズってて、少し微熱があるみたいだから迎えに来てくださいって……だから子供迎えに行って実家にちょっと預けてくるから、お願い!」
「はぁ」
子供さんか〜、確かに大変だ
「何をすれば?」
「これ、夕食の見本ね」
ぱっぱっと一つおぼんにのせる
「これでこのカウンターから渡してあげるの、あとご飯のおかわりを持ってきたらついであげて、以上、じゃあなるべく早く戻るね」
言い残してキッチンの横の勝手口から出ていった
ポツンと一人残された葉月……