僕に言葉を、君には歌を
僕は、たまらず大声で歌い出す。

息が切れそうになって嗚咽しそうになるのを堪えて堂々と。
君が聴いてくれた、あの歌を。


この期に及んで、僕は君に褒めてもらいたいと思っている。


君を好きかどうかも分からない、もう確かめられない。

ごめん。
ごめん。
謝っても謝りきれない。



でも、これだけは分かるよ。

その言葉の主が、彼女なのか自分なのか分からなかった。


青空に立ち上る白い煙と共に、僕の歌声が舞い上がっていく。


『君の歌は、みんなを惹き付ける』
『君の歌は、みんなを惹き付ける』
『君の歌は、みんなを惹き付ける』

僕の歌声に君の声が乗っていく。

その笑顔を思い出せなくなっても、きっと忘れない。


理由は単純だ。


君の言葉は、僕を惹き付ける。



終わり
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