桜 咲く頃に…
毎日、天井ばかり見ていた。
周りも、私に気を使い
声をかけなかった。

ただ、隣のベッドの住人
美鈴さんは違った。
私と、同じ立場であるからこそ
あえて 声をかけてきた。
初めは、無視をしていたが
次第に 話に耳を傾けるようになった。

美鈴さんは、“今”と言う現実を
前向きに とらえてると言う。

それと言うのも、旦那(タケル)さんの
おかげらしい。

毎日、病室にやって来ては
仕事であった 様々な話をして
心のケアを かかさなかったと言う。

私が入院してきた時も、それは変わらず
逆に 巻き込まれる形となり
勢いを増した(笑)

お見舞いに来る時間が、バラバラで
フリーターか何かだと思っていたが
実は、聞いてビックリ。
なんと、会社の社長さんだった。

大手企業を相手に 、
バリバリ働く やり手人間。

人は、見かけによらない(笑)

タケルさんの会社では、
フリースタイルで働け
人に迷惑をかけなければ
許される限り 何度でも チャレンジが出きる。
失敗をしたとしても、次に繋げられるなら
やり直しはきく。
私と似た感じの人も、数人雇っていて
活躍してると言う。

そんな毎日を過ごすうちに、
段々と 気持ちに整理がつき
大学復帰をやめ 辛いリハビリにも耐え
この春 ようやく
社会人のスタートを切った。
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