桜 咲く頃に…
「香純さん、体調どう?
ムリなら、家でしても 大丈夫だよ」
「有難うございます。
朝方、少しうずきましたが
今は大丈夫です」

タケルさんは、毎朝
こうして声をかけてくれる。

「頑張りやさんだね」
「いえ。他の人より、スタートが遅い分
取り戻さないといけないので」
「判ったよ。
何かあったら、必ず報告すること!
いいね?」
「はい」

会話もそこそこに、私は
取引先へと向かうため エレベーターへ。

扉が、タイミングよく開き
出てきた人に軽く会釈をし乗り込んだ。

この時、すれ違った男性が
あの“隣の男の子”とは
知るよしもなかった…
< 4 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop