家庭男子はどうですか？

とろける魔法

僕、日和律紀（ひよりりつき）の放課後は忙しい。なぜなら調理をしなければならないから。

放課後、家庭科室に入るとすぐに僕はエプロンをつける。緑色のお気に入りのエプロンだ。

「今日もあの子にお菓子を作るの？」

家庭部の部員で、高校二年生の宮原（みやはら）先輩が苦笑する。黒猫の可愛いエプロンがよく似合っていて、料理がとても上手だ。

「はい！今日も頑張ります！」

僕は宮原先輩に笑いかけ、冷蔵庫から材料を取り出す。今から作るのはガトーショコラだ。

薄力粉とココアを合わせてふるい、チョコと牛乳をレンジにかけて混ぜ合わす。ボウルに卵を入れて白っぽくなるまで泡立て、砂糖を三回に分けて入れる。出来上がった生地を型に入れてオーブンで焼いて完成！

「うん、おいしい！」

僕は味見をし、微笑む。喜んでくれるかな？チョコが好きって聞いたから、きっと喜んでくれるよね……。

ガトーショコラをラッピングし、「行ってきます！」と宮原先輩に僕は笑いかけ、家庭科室を飛び出した。