家庭男子はどうですか?
「真凛ちゃんはいつもこんな時間に帰っているの?」

「うん。今から保健室に寄るところだけどな」

「保健室?怪我をしたの?」

「いや、違う」

真凛ちゃんはそう言い、かばんの中から制服のスカートを取り出した。ホックが外れている。

「急に取れたんだ。先生に直してもらおうと思って」

そう言う真凛ちゃんに、僕は笑顔で言った。

「僕にも直せるよ!」



僕は真凛ちゃんを連れて家庭部の部室に入る。

僕は裁縫も得意だ。ホックの応急処置ならあっという間にできる。

「そこに座って待ってて」

僕は真凛ちゃんを椅子に座らせ、裁縫箱を棚から取り出す。針と糸を出し、すぐに糸を通した。

「家でも裁縫をしたりするの?」

「うん。フェルトで何かを作ったり、刺繍をしたりするのも好きなんだ」

真凛ちゃんの質問に答えながら、チクチクと縫っていく。十五分もしないうちにホックの応急処置は終わった。

「できたよ!」
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