ずっと一緒にいてね?

私はそう思い、とりあえず友達になることにした。


「もちろん。私も理実って呼ばせてもらうね。」


「はーい。ねぇ、史華ってどうしてこんな中途半端な時期に引っ越して来たの?」


それを聞かれてやっぱりかと思った。


だって今は、夏休みまで後一週間だ。


今転校するよりも、夏休みを挟んで明けから登校してきた方がきりもいいし、そう考えるのが普通だ。


でも、そうしなかったのは、一刻も早く雅に会うため。


でも、今何も知らない理実に本当のことは言えない。


適当なあたりざわりのない嘘をついてごまかす。


私は、先生が出ていくのを見計らって理実にこっそり耳打ちする。


「あのね、理実。こんなこと頼んで申し訳ないんだけど、誰にも聞かれたくない話があるの。ほんとは、昼休みとか空いた時間がいいんだけど…そうもいかない理由があって。授業サボるのって無理かな?」


出来るだけ優等生っぽく頼んでみる。
< 293 / 320 >

この作品をシェア

pagetop