ずっと一緒にいてね?

「そんなはるなだけど、私達と同じ高校なら、空き教室登校は変わらないけど、頑張って毎日通うって私達に宣言したの。それなのに…」


私は、一旦言葉を切って壇上の上から、全校生徒を鋭く睨んだ。


私のその仕草に硬直する者や、震える者、驚き過ぎて、口をポカンと開ける者。


反応は様々だが、私は構わず続ける。


「朝から、私達と登校して来たはるなを見て、あんた達が必要以上に騒ぎ立てたり、はるなの悪口を言ったりするもんだから、はるなは怯えて意識を失った。」


あの子は、はるなは、私達には言わなかったけど、自分も一度でいいから教室に行きたい、そう思っているのを私達は知っていた。


はるなは以前、いつまでも過去に囚われて、教室に入れず、ましてや、学校にすら行けない自分が嫌だって、言っていたことがある。


だから、今年こそはって思っていたに違いない。


私達が毎日学校に行っているから、学校には何としてでも来ると思うけど、今朝の出来事のせいで、教室に一度でもいいから行く、と言う夢は現実にならないだろう。
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