そのただいまが今日も愛おしい
「蒼くん、じゃま、遅刻する、どいて。」
寝相悪く腕やら脚やらを乗せてくる同棲相手に寝起きの私、高塚 千鶴は不機嫌な掠れる声で言う。
「ん...…、は?…まだ八時じゃん…」
「学校行くの、蒼くんもどうせ昼にはバイトなら起きなよ。」
もぞもぞと動き出した蒼くん、辻 蒼一郎を置いて私はベッドから出てカーテンを開ける。想像よりも晴れた空と輝く太陽の光に反射で目を細めて、足元のローテーブルに置かれた灰皿の中身を燃えるゴミに出す。
「んぇー………じゃ寝とく。頭痛い。」
「二日酔いじゃないの、昨日もうやめといたらって言ったのに。」
「うるせー…」
そのまま声は布団の中に掻き消えて言って、何か言っていたけど聞こえなくなってしまった。鼻から息を吐いて洗面所に足を運ぶ。運ぶと行っても、部屋を出て真正面のドアを開けて入るだけ。
蛇口を捻って肌がびっくりしちゃうくらい冷たい水で顔を洗う。こうでもしないと寝てしまうから。新しいフェイスタオルで拭いて顔を上げる。
「うぇっ、最悪。ヘルペスできてるー…」
いつも通りの化粧水と乳液に加えて、口角に産まれた真っ赤な膨らみに軟膏を塗っていると洗面所のドアが開いてまだ目を擦っている蒼くんが入ってきた。
「起きてきたの?」
「ん。千鶴が出てくの見送ってからもっかい寝る。」
「そっか。」
洗面台とタオルを譲ってあげて、その横でストレートアイロンを温める。
「あ、ねぇ。」
思い出したように蒼くんは洗顔中のビシャビシャなままで顔を上げる。
「え、何?」
「新しいベース買っちゃった、ので、来月家賃俺が全部払うから今月払って欲しいんだけど。」
寝相悪く腕やら脚やらを乗せてくる同棲相手に寝起きの私、高塚 千鶴は不機嫌な掠れる声で言う。
「ん...…、は?…まだ八時じゃん…」
「学校行くの、蒼くんもどうせ昼にはバイトなら起きなよ。」
もぞもぞと動き出した蒼くん、辻 蒼一郎を置いて私はベッドから出てカーテンを開ける。想像よりも晴れた空と輝く太陽の光に反射で目を細めて、足元のローテーブルに置かれた灰皿の中身を燃えるゴミに出す。
「んぇー………じゃ寝とく。頭痛い。」
「二日酔いじゃないの、昨日もうやめといたらって言ったのに。」
「うるせー…」
そのまま声は布団の中に掻き消えて言って、何か言っていたけど聞こえなくなってしまった。鼻から息を吐いて洗面所に足を運ぶ。運ぶと行っても、部屋を出て真正面のドアを開けて入るだけ。
蛇口を捻って肌がびっくりしちゃうくらい冷たい水で顔を洗う。こうでもしないと寝てしまうから。新しいフェイスタオルで拭いて顔を上げる。
「うぇっ、最悪。ヘルペスできてるー…」
いつも通りの化粧水と乳液に加えて、口角に産まれた真っ赤な膨らみに軟膏を塗っていると洗面所のドアが開いてまだ目を擦っている蒼くんが入ってきた。
「起きてきたの?」
「ん。千鶴が出てくの見送ってからもっかい寝る。」
「そっか。」
洗面台とタオルを譲ってあげて、その横でストレートアイロンを温める。
「あ、ねぇ。」
思い出したように蒼くんは洗顔中のビシャビシャなままで顔を上げる。
「え、何?」
「新しいベース買っちゃった、ので、来月家賃俺が全部払うから今月払って欲しいんだけど。」