幸せの扉を探して
高校の卒業と同時に
お世話になった孤児院を出て
両親と暮らしていた
マンションに戻った。
父が勤めた事務所の所長である
小田さんに連絡をとり
お会いしたいとお願いした。
小田さんには、このマンションの
管理から両親の財産や保険の
管理をお願いしていたから
お礼と相談の為に会いたかった。
桜は、パラリーガルの道へ進む為
法政大学の文学部に合格をしていた。
母のように弁護士秘書とも
思ったがパラリーガルの方が
自分に向いていると思ったので
そちらに進む事にしたのだ。
小田さんは、とても喜んでくれて
卒業したら小田さんの事務所に
勤めなさいと言ってくれた。
小田さんの事務所は、
弁護士の先生 → 七人
弁護士秘書 → 七人
パラリーガル → 五人
と
所長の小田さん
副所長の荒木さん
計21人が勤めている
比較的大きな事務所だ。
「だけど、本当に
桜ちゃん、良く頑張ったね。」
と、小田さんに言って貰えて
ホッとしたのと、
嬉しさでいっぱいになった。
「小田さん、ありがとうございます。
今日は、相談があって伺いました。
お時間作って頂いてすみません。」
「構わないよ。それで相談とは?」
「はい、両親と暮らしていた
マンションなんですが
一人で住むには、広すぎて
売りに出して、小さなマンションに
引っ越ししたいと思っています。」
「そうだね。一人暮らしに
4LDKは、広いね
半分でよいか・・・」
「うふふっ、半分ですか?」
「まだ、広い?」
「そう思いましたが、父と母の
ものを置きたいので
半分は、必要だと思いました。」
と、言うと小田さんは
頭をかきながら笑ってくれた。
両親のマンションの売却と
桜の住むマンション探して
早急に連絡してくれると
小田さんは、言ってくれた
それから
「週に何日か、
事務所でバイトしなさい。
勉強になるから。」
と、言われた。
小田さんの気持ちを嬉しく
思いながら事務所を後にした。